以前、「法人営業のデマンドセンター(インサイドセールス)をつくる」というエントリーを書きましたが、その続報です。

セールステック系のセミナーに参加したのですが、進んでいる営業組織は本当に進んでますね。ライセンス単価があまり高くないSaaSでサービス提供する会社は、インサイドセールス組織を作って、アウトバウンドコールとMAで案件つくり→フィールドセールス、というところが多いですね。とあるセミナー登壇者と話すと、その会社のターゲット企業が14,000社あるとのことでした。

ターゲット企業が多く、ゼロベースで新たに営業組織をつくる場合、インサイドセールスとフィールドセールスという仕組みを取り入れるのはやりやすい気がします。

一方でそもそも自社のサービスや対象顧客として、インサイドセールス組織が本当に必要なのか、を考える必要があると思えてきました。今の弊社のように一人あたり数十社の担当で会社全体でもターゲットが数百社、リソース的にむやみに顧客数を増やせない場合、いきなりインサイドセールスではない気がしてきました。

世の中の多くの会社は、既存の営業組織があって、ターゲット顧客数に最適化されているはずです。休眠とか浮いてる顧客が多いからとりあえずインサイドセールスを始める場合、いちおうは顧客がフィールドセールスに紐付いていているので、どこからをインサイドで追うかのルールつくりが難しいです。案件を作って営業に渡して受注や失注したとしても、もともとの購買が年に一回あるか否かなので、その後にフィールドセールスがフォローせずに、結局また休眠顧客になっていることも。。

という感じで、対象顧客がそれほど多くない、顧客をむやみに増やせないという場合、既存の組織との連携が難しいかも知れません。SFAとかのツールを入れて文字どおりシステム的に始める方法もあるかもですが。

とはいえ、営業の無駄な訪問は減らして、効率化したいと思っていて、訪問件数が少ないのに売れているスタッフの話を聞いて気づきました。この優秀な営業マンは何をしているかというと、さほどリレーションが強くない顧客に対しては、定期的にメールで情報を投げています。で、その内容も「こういう参考情報があります」とか「こういう(もちろん適した)キャンペーンがあります」とかの内容です。

自分の顧客に情報提供をして、タッチポイントを作っていくことを「ひとりインサイドセールス」と勝手に名付けてみました。旧来型の営業体制があるし、自社の体制にインサイドセールスという組織が機能するかわからない場合、まずはこのやりかたを、各営業マンに浸透させると良いのでは?と思っています。

ビジネスとは、情報の非対称性で成り立つと言いますが、昔は営業が訪問して情報提供することにそれなりの価値があったわけです。ただ昨今はオンライン上の情報が増えて、成熟産業の場合は顧客も営業マンに会わなくても情報収集ができて、そうすると訪問しての情報提供は難しくなります。

特に信頼関係ができるまでは、顧客は身構えてしまってアポイントが取りにくくなっている気がします。顧客としてはよほどの情報がないと会う意味がないと思われていて・・

そこで、相手に関係ありそうな情報をメールで案内して、薄いタッチポイントを個々で作っていく、というのが一人インサイドセールス。おそらく多くの営業マンは「それはやっているよ」と言う気もします。ただ、実際は顧客の反応がないと案内することを忘れていたり、おそらく定期的にやることが大切で、それが休眠顧客からも案件が出てくる営業マンの技ではないかなと。

月一回でも、三ヶ月に一回でも、情報が来るだけで、顧客の中の一定のマインドシェアを取れます。そうすると突然、そういえばあの担当に問合せてみようかな、となっていく気がします。おそらく一定数やっていくと、顧客規模とかから、どのくらいの案件化率になるかとか見えてくるはずで、だから人によっては、メールでフォローする顧客をこれだけ増やしましょう、とか、そういうマネジメントもできていくと思います。

この「ひとりインサイドセールス」が浸透してきて、メールフォロー顧客が組織全体で増えてきた、組織全体で効率化したい、という話になった時点で、本当のインサイドセールスを置く、というやり方もあるのではないかなと。まずは営業マン全体に、コミュニケーションが少ない顧客に対して無理に訪問するのではなく、「ひとりインサイドセールス」をやってもらおうか、そんなことを考えています。