書評

昔買って、流し読みしていた本書を再読。とても深い。

イノベーションのジレンマにあったような、企業というのは得てして目の前の成果が出やすい部分にフォーカスしがちだが、そうすると市場が変わったときに対応ができなくなる、よって長期的な視点を持つことが大切というようなことを、家庭や個人のキャリアに当てはめて解説している。

我が家のコミュニケーション改善や子育てにも活用できそうし、会社でのマネジメントにも大変に有益な内容と考えさせられた。

・何か問題があったときに、その問題に対して「どうやって考えるか」を教える。それを続けることで、自分の決断を自分でできるようになる

・「動機づけ要因」「衛生要因」。報酬は衛生要因であり、改善すると会社への不満は減るが、仕事に満足するわけではない。やりがい、他社への貢献、評価、自己成長や責任などが動機づけ要因

・普段の生活でも資源配分を意識する。家族の将来に向けた時間、労力、お金の使い方のバランスを取る。日々の生活バランスのなかでその配分を固定化せずに、自分の考えた理想に向けた資源配分がされているかを振り返る

・組織マネジメントにおける「資源」「プロセス」「優先事項」を子どもに対しても考える。子供のための思って「資源」(習い事や遊び道具)を与える。しかしながらどれだけ多くの資源を与えても、将来の困難に対するプロセスが身につくわけではない

・こちらが教えても子どもは学ばない。学ぶ時期が来ると勝手に学ぶ。大切なことは子どもが学ぶ準備ができているときにそばにいること。そして子どもに優先事項や価値観を示すこと。親がやるべきことをアウトソースすればするほど(習い事など)、子供の価値観を養う手助けをする機会を失う

・子どもの将来に必要なスキルを養うための手助けをする。適切な経験を探して与える。仕事で失敗する人は、成功する能力が欠けているのではなく、困難に立ち向かう経験をしていなかった

・組織は文化を生む。強力な文化がある企業は強い。家庭にも文化をつくることはできるし、望まなくても生まれるため、そこにどれだけ積極的に影響を与えようとするか。家族が行う活動について、それが繰り返されたらどうなるかを考えていく

深い、深すぎる。今の組織文化をどうやって変えていくかを考えていたが、子どもの将来のためにも、どういう家庭や家族にするか、そのための価値観や文化つくりをしようかなぁ・・自戒も込めて。

「1分で話せ 世界のトップが絶賛した大事なことだけシンプルに伝える技術」を読んだ。タイトルどおり本の内容もシンプルにわかりやすくまとめられています。印象に残ったところを列挙します。

・考えるとは結論を出すこと、そのための自分への質問として「だから何?」「本当か?」を意識する。

・結論を先に述べて、その根拠を3つ出す。プレゼンとは、相手の頭の中に自分が伝えたいことの骨組みや中身を移植する。いらない言葉を削る、頑張ったプロセスは話さない、気を遣いすぎない。

・聞き手と前提を揃える。前提を聞き手と共有して、主張・結論を明確にして、根拠を複数用意して、~だから~だ、と意味が通じるかをチェックする。

・ピラミッドで考える、前提→結論→根拠3つ

・スライドは読まずに頭に入れることを目指す、中学生が理解できる言葉で説明する。

・人はイメージを想像することで、感情が揺さぶられる。イメージを描くために、ビジュアルを見せる。関係ない写真や絵は逆にノイズになり、理解を妨げる。あくまでこのイメージを聞き手に湧かせたい、という写真や絵を入れる。ビジュアルで説明できるものがない場合は、「例えば」といって具体的な事例を示す。結論→根拠3つ→例えば~としての補足説明

・感情に訴えるために「想像してみてください」。これらを踏まえて、吉野家が好きな説明をすると以下のようになる。
「私は吉野家が好きです。まず早い。座ったかどうかのタイミングで、店員さんが牛丼を出してくれますね。
次に、安い。今時どこで食べても大抵500円はかかります。
最後に、うまい。想像してみてください。おなかがすいた時に牛丼をかきこんだことを。だから、僕は吉野家が好きなんです」

・自分の中にリトルホンダをつくる、いかにして相手の立場に立って話すか?話している自分と相手を俯瞰して見る。「主観の自分」を意識していくことを「メタ認知」という。メタ認知をしながら主観の自分を修正していく。

・プレゼンのフレームワークいろいろ
「主張と根拠と例示の3段ピラミッド」
「SDS(Summary&Detail&Summary)」
「PREP(Point&Reason&Example&Point)」
「PCSF(Problem&Change&Solution&Future)」

わかりやすく端的に話をして、リトル自分をつくって自分をメタ認知して、自分の振る舞いを修正していく、というのは今後の生き方、振る舞い、家族との関わりにおいてもとても大切(な気がする)。

前に書いたエントリー「ファシリテーション技術は、これからの必須スキルでないか」に書いたように、ブレストでのアイデアを活かそうとしても、そもそもブレストを効果的に進めるスキルが足りていないことがわかった。

その後、ファシリテーションスキルを上げるべく「ファシリテーションの教科書」を読んだ。読後からしばらく経ってしまったが、各章にpointもついていてわかりやすく、それらをまとめてみる。

・人々の意欲を高めて自発的な行動を促すためには、一方的な指示命令ではなく、問いかけ、考えさせて、つかませることでメンバーに「腹落ち」させることが必要

・ファシリテーションを行うためには事前の「仕込み」と、議論の参加者を適切に導く「さばき」が必要。また「問題解決」「構造的な話の理解」の思考力、さらに「人の可能性を信じる、意欲、能力、知恵を引き出す」という基本姿勢が不可欠

・ファシリテーションの「仕込み」は、「議論の出発点と到達点を明確にする」「参加者の状況を把握する」「議論すべき論点を洗い出して、絞り、深める」の3点がある。

・ビジネスの合意形成には、「議論の目的の共有」「アクションの理由の共有と合意」「アクションの選択」「実行プラン・コミットの確認と共有」のステップがある。議論の場において、4つのステップのどこから話をして、どこを到達点とするかを考える。

・議論の参加者の状況を理解する。「何を知っていて、何を知らないのか(認識レベル)」「どのような考えや意見を持っているのか(意見、態度)」から理解する。意見・態度は、どこに賛成・反対しているのか、それはどのような理由なのか、なぜその理由を考えているのか、イメージすること

・議論をリードするためには「論点の把握」が不可欠。「仕込み」のときの論点把握は、「広げる」「絞り込む」「深める」の順番で進める。仕込みで深く考えて、最終的には「議論の到達点」「重要な論点とその関係」を踏まえ、頭の中に「論点の地図」を持った状態にする。

・参加者の意見を引き出す「さばき」においては、ファシリテーターは控えめな言動を心がける

・「さばき」の基本ステップは、「発言を引き出す→発言を理解して共有する→議論を方向づける→結論づける」

・「発言を理解して共有する」力は、ファシリテーターの最重要スキル。1.発言を聞いて理解する、2.発言を受けたことを分かりやすく示す、3.理解する、4.参加者が理解できるようにする、を繰り返して、論点をつかんでいく

・意見の対立の背後には、「基本となる認識の相違」「考えつく解決策の内容、幅の違い」「判断基準の違い」が存在する。対立の理由がどこにあるか?「基本となる認識の相違」であれば、情報共有をするなど、参加者間の情報格差をなくして認識を揃える。「考えつく解決策の相違」の対立への対処は、そもそも取りうるオプションが複数あり、それぞれのメリット・デメリットを分かりやすく提示する。「判断基準の相違」の対処は、目的やあるべき姿を合意可能なレベルまで戻って共有する。

・ファシリテーションの対象は人間。感情に配慮しつつ働きかける。議論のテーマ・内容に対する参加者の感情を考えて備える。ネガティブな人間にはその感情を出させて安心させる。無関心な人間は、関心がわくように一定レベルの理解、認識をつくる。または感情を刺激する。議論の初期段階では、創造的・活発・安心感がある雰囲気をつくる。

・「集団」は烏合の衆から「対立」を経て「団結」へ至る。その後「変革」が必要な段階へと進化・変化していく。集団の進化を促進することもファシリテーターの役割

一通り読んだが、やはり自分の事業に関係するところが理解しやすい。

広告ビジネスの考え方としては、「売上=ユーザ数×ARPU(Average Revenue per User)」という計算式、というのがあった。オンラインメディアで、月間で数百万ユニークユーザを持っても、実際に企画広告やスポンサードメニューにアクセスしているユーザは数万ユーザなわけです。

かりに広告メニューに接触するユーザ数が月間で5万UUだとする場合、ARPMAU(Average Revenue per Monthly Active User)は数百円くらいです。テレビの場合、月間ARPMAU(Average Revenue per Monthly Active User)が1,000円くらいになるみたいです。ヤフーが408円くらい、Facebook はテレビくらいの金額感(らしい)。

よって、アクティブユーザまたはスポンサードメニューに接触するユーザをどれだけ増やせるか?そのために広告配信を最適化してユーザあたり接触量を増やすと、まだまだ売上を伸ばす余地があるのではないか。

余談だが東経の記事で、深謀?無謀?赤字上場ベンチャーの見極め方を見た。
ビジネスモデルの大前提の考えとして、新規顧客の獲得費用よりも、クライアントのトータルレベニューを大きくする、とある。当たり前だが、日々の業務を軸にして考えていると意外と見落としてしまう視点かも。その顧客からのトータル売上がどのくらいで、そのためのクロージングにどのくらいの社内リソースやコストがかかるか、というのは改めて考えるべき部分。

あと「成長率+営業利益」が40%を越えるか?が一つの投資判断のポイントらしい。成長率が高ければ少々赤字でも事業としては良い、という考えになる。

「コーチング・マネジメント」を読んだ。わかっているようでわかっていない「コーチング」、若い世代の価値観が変わってくることで、必要になる能力と感じた。

・コーチは、クライアントの未来に向けたビジョンを描くことを手伝う。目標、プロセス、周囲の環境などの絵を一緒に描く。そのためにはクライアントがコーチに対して、自由になんでも話せるようにしておくことが大切

・コーチはクライアントとの間に「コーチング・カンバーセション」をつくる。そのもとはクライアントの話を聞くこと。また継続のためにリマインドすることもコーチの役割

・クライアントが、アイデアを出すプロセスに参加すると、そのアイデアを行動に移しやすくなる

・クライアントが自発的に動きたくなるような環境を整えることにコーチは注力する。目標を設定して、その目標達成のプロセスで、クライアントに必要なものを選択し、複数の見方ができるように質問をする。「やる気」のせいにはしない

・1.現状の明確化、2.望ましい状態の明確化、3.現状と望ましい状態のギャップを引き起こしている理由と背景の発見、4.行動計画の立案、5.フォローと振り返り

・クライアントが求めているのは「聞かれること」、求められているのは「聞き手としての能力」

・クライアントに対して、常に3つ以上の選択肢を用意してあげる。選択の幅が広がると、人は自発的な行動を起こしやすくなる。「やるか、やらないか」では人は動きにくい

・コミュニケーションを交わすときの意識としては、「私たちの一員から、私たちの一員へ」というスタンスをとる。この立場を取ることで、自分の意見も利己的ではなく、「私たちの利益、私たちの成功」に向けられたものとなる。「私たちの一員」というイメージを持つことで「ものの見方や捉え方」の幅が広がる

・「クリエイティブ・リスニング」、相手が話しやすい環境をつくる、クライアントに偉そうな態度にうつっていないようにする(アクティブリスニングという言葉もあるが、少し意味合いは違うようだ)。聞くべきことの基本は「リクエスト」「提案」「質問」。不平不満の裏側にも何らかの「要求」があることがほとんど

・「なぜ?」を聞くと相手が萎縮して創造的、積極的な行動を奪う。「何が?」「どうしたら?」がアイデアを発展させる

・自分の頭のなかでもクローズドクエスチョンではなく、オープンクエスチョンにしていく。「なぜ売上が伸びないのか?」ではなく「何が売上が伸びない原因なのか?」、「なぜできなかったのか?」ではなく「これから何をしていくと良いのか?」、など

・クライアントの中にビジュアルをつくるためにコーチはいろいろと質問をする。「場所は?誰と?どんな人?周りの反応は?」など。できるだけ細部まではっきりする質問をすることで、ビジョンを鮮明にしていく

・「アクナレッジメント」、相手の変化や成果に気づき、それを言語化して伝えること。理想は、相手が自分では気づいていないことを先に察知して伝えられると良い

・良いコーチになることは「私のおかげ」を放棄すること。自分のクライアントの自立と可能性を引き出すことに喜びを感じられるように

・「フューチャーページング」、ゴールは通過点であり、コーチはゴールの次をビジュアライズする。これにより、クライアントは自分の可能性を自覚して、トータルに成功できるように導くことができる。「それを達成したら次に何をやるか?」「仕事から何を得たいか?」など。具体的には、クライアントが未来に向けてどんな物語を用意するか、どんな価値を優先するか、など「戦略」を持つ

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