組織マネジメント

海外からの新しいキーワード「セールスイネーブルメント」
私のブログでも過去に2つほどエントリーを書いていて、結構アクセスがあります。


ただ、以下の記事とか見ると数値化して改善して、そのためにSFAを入れましょうとかいろいろあって、結構ハードルが高いと感じてしまいます。


でもセールスイネーブルメントの目的って、教育内容と営業ツールや商材を整理して、短期間で継続的に数字が作れる、そういう営業マンを作れれば良いと思っています。

従来は、営業マン教育は、OJTという名のスキル伝承だったり、ツールの活用や商材の提案の仕方も、営業マンにより好き嫌い(得手不得手)があったりして、やや属人的な部分があったと思います。そうするとどうしても成長速度にばらつきが出たりもします。会社によっては、採用や基本教育は人事部、商材やツールは営業推進、実際に営業を教えるのは営業マネージャーやリーダーだったりで、この場合、配属先の上司により、その後のパフォーマンスに差が出たり、組織に定着しないことも。弊社も昔、ありました。

なので、そういった抽象的な部分を、言語化して、採用基準をつくる、営業初期段階で覚えることや使う営業ツールをまとめる、新人が成長を実感しやすい環境をつくる、営業時にうまくいかない点があれば振り返りやすくする、そうして早期戦力化、定着化を重視する、これが私が考えるセールスイネーブルメントです。

別に営業のステップを数値化してPDCAしなくても、以下をまとめて言語化していけば、セールスイネーブルメントの始めの一歩としては十分ではないか、と思っています。

1.新人が初めに覚えることを整理する、その大まかなスケジュールを提示する、新人が覚えているかを定期的にチェックする
2.営業の業務を整理して言語化していく、徹底的に売れていて真似しやすい営業マンがやっていることをマニュアル化する
3.営業ツールや商材を整理して、どの場面でどれを使うかも言語化する

1があることで、OJT 役の人間とも教えることを共通認識として持てるし、新人の達成度合いを図れます。2,3により、近い将来にやるべき営業活動をイメージしやすくできます。

営業という職種は、経験を積めば積むほど、裁量が大きくなるため属人化しがちなわけで、だからこそセールスイネーブルメント組織が、育成の全体像をつくり、入社初期の段階から普段の営業活動を行いつつ一人前にして、周りの営業マンと同じように動けるようになる、受注率やら
これができれば数値分析などなくても、セールスイネーブルメント組織の役割はできていると思っています。

家を買いました。私は賃貸派だったのですが、いろいろと考え方の変化もあり購入に至りました。で、そのときに不動産仲介の営業の方と話していて、営業方法も昔と比べて変わっているなと感じた話です。

私が営業職に就いた15年前、教わったり、営業をしていて学んだ原則的なこととして、以下のようなことがあります(当然、ヒアリングスキルとか企画書の書き方とかクロージング方法とか、細かなスキルはもっとありますが)

1.対面接触を増やして信頼感を増す
2.提案は嘘はつかないが、相手のメリットを最大限にアピール
3.他社に流れないように、クロージングは早く

で、不動産の営業の方と話しながら私の心理状況を考えたりして、これからの営業方法はやっぱり変えていかないとなぁと。自社の営業スタッフの売り方を見ていてもなんとなく思っていたわけですが。いわゆる優秀な営業マンって、自信や説得力があり押しが強いとかのイメージはありますが、おそらく変わっている気がします。

まず、1の対面接触を増やすのはそのとおりですが、そのための手法は大きく変わります。今回も不動産会社の電話には私は出ていなかったのだが、そもそもほとんど電話はかかってきませんでした。で、メールベースで新たな物件の案内があって、久々に物件を見に行くことになったのだが、見てみるとすでに案内された物件だったり(おそらく意図せずに案内していたと思われる)。でもそこで別の物件を案内されて(ニーズに即したものは大前提)、結局その流れで具体的な検討が始まりました。昔のようなアウトバウンドコールでアポイントを取る、そのためのスキルも大切ですが、今は顧客から連絡させる方法や仕組みが必要だなと改めて感じたわけです。

営業としては、電話の方が得られる情報量は格段に多いわけですが、まだ検討状況があまり進んでいない顧客は、自分自身が比較検討して納得したい、という感情を持っています。そこに電話でプッシュするよりも、相手が比較検討しやすい情報を提供して連絡を待つ、という仕組みが大切と思います。

2の提案方法について。最近はサブスクリプションサービスが増えて、カスタマーサクセスチームとかも流行りつつあるようです。販売後の顧客満足をどうやって上げるか、が重要になっているわけです。外資系の某クラウドベンダーは、一定期間の継続があって、初めて営業成績としてカウントされると本で読みました。

で、今回の不動産屋の営業の人も、売っても大きくは評価は変わらないとのことです。また売ったあとの顧客満足度調査を本社でやっていて、それも評価に入るため顧客のためにならないものは売れないと話してました。昨今は、変なものを売ると消費者センターも厳しいとのことです。購買者側もインターネットで比較検討をしやすくなり、企業の評判もネットで広まりやすくなっています。つまり売って終わりでなく、顧客の将来にまで責任を持った提案が必要なのでしょう。

クロージングを早く、という営業の常識も変わっている気がします。この10年でスマホが増えて、顧客はどこにいても気になる商品の比較検討ができて、探せば探すだけ比較対象が増える状況になりました。無理なクロージングをして信頼感を損なうと、顧客は別の選択肢を探すだけです。クロージングはとても大切ですが、相手が迷っているときにこちらの都合ではかけない。それは昔、顧客に情報がないときに通じた手法でしょう。

そうではなく、顧客メリットを最大限にする提案を心がける。その後は相手に納得してもらう時間を与える。ただその過程で信頼を得ることがとても重要。それは会社のブランドもそうだが、営業個人としても大切。顧客が納得して購入を前向きに考えても、その会社や担当営業への信頼が薄いと、やはり選択肢が多い世の中なので他に流れてしまいます。

そう考えると営業マン育成時に説明することは、相手に信頼されるための振る舞い方とか、顧客ニーズに即したサービスつくりや提案力とか、そういうものな気がします。

少し前に知った「セールスイネーブルメント」をアウトプット兼ねて実践してみた。

ルートセールスではない法人営業の場合、見込み顧客に対して継続的にリレーションを構築することが大切です。ただ営業経験が少ないスタッフの場合、バックボーンも理解力も異なります。年齢が若いと知識が少ないため、クライアントに継続して会うことを難しく感じるようです。若いだけで顧客から軽く見られがちだったりもします。といった課題を感じて、弊社の営業の標準的な流れを整理しました。

(余談だが、小規模企業とかで社長や幹部が自ら営業をしている場合、当然、経験も知識も豊富なので、継続したリレーションをつくりやすい。若い女性営業も、最低限の知識やビジネスマナーは必要だろうが、男性担当者に対する継続営業はしやすい。。)

で、弊社の営業の流れに合わせてプロットしたのが、顧客の心理状況と営業ツール。顧客心理は、まあ空想でしかないわけですが、自分が営業を受ける場合とか、同行した際の顧客の対応とかを想像して、顧客はこんな風に考えているぞと、営業未経験がイメージしやすくするためです。初回訪問時やヒアリング時や提案時とか、プロセスごとの心理状況をまとめました。

営業ツールについては、社内にいろいろとある営業資料や実績資料や提案書をどの場面で使うかを、やはりプロセスごとにプロットしました。OJTやロープレ時の説明の場合、継続営業のときにどの段階で何を使うか、本来はスタッフが考えてやれると良いのでしょうが、やはり向き不向きもあるので、整理して、マニュアル化しようという試みです。

あとはマネジメントの反省も。若いスタッフに対して「まずは信頼構築だから、売り込まないで、相手の課題を聞いて宿題をもらおう」と話すと、ニッチな市場への訴求みたいな、どうやっても解決が難しい宿題をもらってくることがたびたびありました。予算規模が大きいクライアントであれば営業のしがいもあるのですが、そうではないクライアントだと、弊社でやると結構な金額になってしまったりして、そこで次の訪問がしにくくなってしまい、本末転倒になるという。。
なので、各プロセスで使うツールを一覧化しておくことで次回アポイントを取りやすくする、結果として継続訪問をしやすくしよう、と考えてみました。

で、各ステップには、次フェーズに進むために必要なアクションも記載しました。顧客心理を変えて、こういう要望を貰えると次のステップに進んだ、ということを、営業スタッフがイメージできるためです。それにより各ステージで「何を聞くか」「どのような話をすべきか」も整理されます。逆に必要なアクションがふめない場合は、次のステップに進めないと考えます。つまずく部分が多い場合は、そのプロセスにフォーカスしたロープレをするなどして、改善も図れます。

本来のセールスイネーブルメントでは、この各ステップを数値化して、KPIとして見ていくらしいです。今回はそこまではできていません。まずは、訪問~クロージングまでの流れ、各プロセスの顧客心理、使用する営業ツールをまとめて一覧化しました。新人の営業スタッフは、弊社の営業を格段にイメージしやすくなったようで、マネジメントとしても今後の育成がしやすくなりそうです。

だいぶ前に書いた帝京大学ラグビー部のマネジメントは、営業組織に応用できそうの続編。大学ラグビー9連覇中の帝京大学ラグビー部と岩出監督のマネジメントについて、著書「常勝集団のプリンシプル」のなかで詳しく解説されていました。

この中では帝京大学ラグビー部が、どのような方針でどのような組織になっているか、が詳しく書かれています。一言で言うと、

「組織文化をつくりあげて、自ら学習する自律型組織にして、将来をイメージさせながらモチベーションを上げて、実力を出しやすくするフロー状態をつくる。リーダーは環境つくりと方針つくりをしつつも、惰性を生まないように常にイノベーションを起こし、組織に変化を起こす」

とまあこんな感じでしょうか。まあ理想的な組織ですね。さすが9連覇の岩出監督。

随所に心理学的なネタも入っていて、人の動機づけ(満足)要因、衛生(不満足)要因の解説とか覚えておくと役に立ちそうです。給与・待遇は不満足要因であり、低いと不満に感じるが、不満を解消してもやる気が出るわけではない。やる気は達成感などの満足要因から生まれる。これを高めるとモチベーションも高まる。
なるほど。給与が少ないと不満の原因になるが、増やしたところで必ずしもやる気に結びつかない。。最強のモチベーションは「お金」ではなく「楽しさ」とな。

その他の印象に残った部分は・・

・リーダーとしては、メンバーの成長マインドを促すために、努力のプロセスに注目してほめること。そしてリーダー自身が成長マインドセットを持つこと。リーダーが固定マインドセットを持つと、メンバーの成長を阻むことも。

・「横」のコミュニケーションを重視。そのための三人トーク、相手に言わせる「質問力・コーチングスキル」。上からの指示命令には圧力があるが、横から浸透させると圧力が緩和されて、組織の末端まで真意が伝わりやすい

・4年間で社会人30年分を疑似体験。1年生~4年制を、新入社員、中堅社員、管理職、経営幹部といった役割をもたせる。学生には大学卒業後の将来をイメージさせて、豊かな未来に向かってラグビー部の4年間があることを説明する。

・何かを伝える場合は、相手に言わせるように質問する。そのためのシナリオを事前に考える。時系列にわけるなどして、相手に言わせたいことを順番に聞く。5W1Hの中でも、Why、What、How を特に駆使する。なるほど、コーチングをしていて、なんとなくこちらの答えに誘導してしまうこともあったが、それも間違いではないのかも。

・失敗に寛容に。失敗への捉え方がネガティブになると、メンバーの発想力や創造性が失われていき、組織文化が硬直化していく。チャレンジが生まれず人の成長も止まる。リーダーこそがこの文化を変える。

・情報の伝達スピードを上げる「SBAR エスバー」による報告や相談。Situation(状況)、Background(背景)、Assessment(報告者が問題と思うこと)、Recommendation(報告者が考える提案)を使って話す。情報の受け手が報告内容を的確に把握でき、次のアクションが早くなる。単なる状況報告ではなく、報告者による評価と提案が伝わる。著書の中では最近取り入れたらしいが、なるほど、これこそが常に変化を起こす、ということなのだなと。

などなど。そして、

・リーダーシップの3つの条件は、「他人の思いや感情に共感できる人」「自分が他者に支えられていることを実感して、それに感謝できる人」「自分も他者に貢献したいと自然に思える人」

・トップやリーダー自身が楽しむ。前年のチームを超えるために何かイノベーションを起こせないか?と考える。

とまであって、岩出監督を知れば知るほど、9連覇する組織のリーダーはものすごい柔軟で謙虚だなと感じます。マネージャーの仕事は、自分の後任を育てることとか、そんな話も聞くことがありますが、確かに帝京大学ラグビー部は、急に岩出監督が代わっても、組織文化が継続されるでしょう。

もう数ヶ月で大学選手権ですが、果たして10連覇するのかとても注目してます。

OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)に関するセミナーがあり、スタッフに参加してもらった。OJTといっても人によってイメージがばらばらで、教える側も教えられる側も戸惑うことが多い。セミナー内容について聞いて、なるほどと感じたこと、その後の実践したことを少しまとめてみます。

・業務を教える際には、「目的や全体像を伝える」「具体的な言葉に言語化する」「理解しているかを確認する」ことが大切。これについては「理解しているか」の確認は抜けがちか。相手の性格によっても、理解していないことをこちらに聞ける人と聞けない人といるので、相手に合わせて確認できると良いかも。

・「具体的な言葉に言語化する」については、平易な言葉への置き換え、なぜ成果が出ているかの説明をするように。新人から、自分が上達しているかを感じられないと聞いたこともあったが、なぜ成果が出ているかを説明できなかったからであろう。特に営業の場合、説明しにくい非言語的な領域の話が多く、だからこそ具体的に言語化することが大切か。言語化は、メタ認知、論理的思考、要素分解、語彙、がポイント

・OJT役の適切な人選が大切。役職や営業ができるとか、業務に詳しい、というだけでなく言語化した説明ができる人。で、そう考えると仕事ができて言語化がうまいという人はなかなかいない。よって指導者役には、業務スキルが劣っても、言語化力や対話力が高い人が望ましい。

・指導者側の意識を合わせる。業務に詳しい人間の場合、知識の詰め込みだけになり、コミュニケーションがないがしろになったり、自信を失わせたり、結果としてうまくいかないことがある。なるほど、指導者側が、業界に詳しくて、面倒見も良かったのに、断片的な知識で詰め込み中心になってしまうことが過去にあった。まず指導者側との間で、何から説明するかなどの共通認識を持たないと。

・指導者側の対話力のためには、業務の理解と知識、相手の理解度の把握(何を重視しているか、どのように理解しているか)、コミュニケーション(アクティブリスニング、コーチング)が大切

・指導を受ける新人には、1.適切な業務のアサイン、2.業務の目的の説明、3.実行時の適切な支援、4.振り返り、ができるように。特に振り返りは大切で、業務完了後に詳細に言語化させて、振り返りを習慣化してもらいたい。また新人の場合は、「数カ月後や1年後の具体的なゴール設定」をして、いつまでに、どうなってほしいか、将来的な人物像をイメージさせる、とのこと

ということで、一口にOJTは、見て覚えるだけでなく、非常に奥が深いのだなぁと。

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