カテゴリ: 組織マネジメント

最近、つらつらと考えていたこと。

生産性を上げるとは、無駄をなくして効率化すること。無駄をなくすためには今のやり方を疑うこと。クライアントも外部環境も日々変わるなか、定期的に業務の棚卸しが必要かも。大切なのは従業員とクライアントが満足することで、そのために無駄なことが発生しているならばそれはなくしていくべき。

仕事に対する価値観が多様化して、やりがいも人それぞれ。マネジメントは、個々の得意なことにフォーカスして業務をふらないとならない。それができると劇的に生産性は上がるのだろうが、マネジメントは難しくなる。。

で、効率化を進めると、私語や会議を減らす、ツールによる業務改善を図る、非効率な作業はスタッフにふらない、などとなる。さらに進むと効率化のためならば社内にいなくても良い、在宅ワーカー、とかとか・・で、そうなるとやはりマネジメントが難しくなる。コミュニケーションが減るため個々の考えがわかりにくくなる、ちょっとしたお願いごとがしにくくなる、など。

これらは、法人営業の変化に繋がる。私が営業を経験し始めた10年以上前は、いかにして相手とのリアルな接点を増やすか、ということをまず考えていた。ただスタッフの営業を見ていると、クライアントと会うことは難しくなっている。さらに昔よりも知的な業務が増えている。聞いた話では、今のリクルートの営業の6-7割は、担当エリアの広告効果のデータ分析だそうな。

B2Bマーケティングも成熟しているし、昨今の働き方改革といった空気感から、クライアント側もなるべく意味のないミーティングは省略したいのだろう。となると、いかにして有益な情報を整理して、MAなどを使って顧客接点をつくるかを組織的に考える必要がある。

ふと思ったこととして、他部署と一緒にやっている定期ミーティングがある。全く業務内容が異なるため、常に有益な内容にするのが難しいと思うが、他部門が何を大切にして、何をモチベーションにしているかが良くわかる。生産性の観点からは一見無駄に思えるミーティングも、お互いを理解するためには必要なのかもしれない。

前述した法人営業も、お互いが効率化を進めて、必要な情報のやり取りだけをした場合、果たしてビジネスパートナーという意識は生まれるのだろうか・・ツールを活用して効率化を進める部分では今の若い人の方が吸収力も早いのだろうが、我々世代の強みとしてある、リアル接点を組み合わせたハイブリッド型のコミュニケーション手法が、これから必要になっていく、と考えています。

IT業界のマーケティング市場が成熟し、クライアントの要求が高くなった結果、新人の育成が難しくなっている。少なくとも10年前の私の入社時よりは確実にクライアントの言い分は難しい。で、新人営業の育成プログラムの見直しを行った。

・営業初期は、同行営業も多く、売上がついても自分の実力なのか成長を感じにくい、という話を聞いた。売上は予算有無やクライアントの方針に影響されるため、「課題&BANTを聞けた企業数」「何かしらの提案に繋げた企業数」を増やせるようになる、というゴールを新たに作った。(その後の新人を見ていて、クライアントに対する次のアクションまで考えられる、というのもゴールに追加した)

・こちらからの質問方法、クライアントからのFAQを文書化。従来はつどつど説明していたが、一気に身につけた方がクライアントと話しやすいとスタッフからあり(当たり前か)整理した。

・営業の全体フロー(事前準備~アフターフォローまで)をリスト化して、提案時や提案後にどのようなポイントがあるかを可視化した。提案後のクロージングが進まない場合に状況チェックもできる。

・ヒアリングのロープレを行った。従来はOJT的にヒアリング方法を覚えていたが、客先で不安という声もあってロープレをはじめた。ロープレは奥が深く、優秀な営業マンをクライアント役にすると、フィードバックがハードルの高いものになってしまったりするため、ロープレの目的や、どこまでを習得できているかについての共通認識は大切。

・電話営業の目的を変えた。電話営業は効率が良くないし、どこまでやるべきかを迷っていたが、人に聞いたアドバイスとして、「即応力が身につく」かつ「シンプルにメンタルが鍛えられる」とのこと。電話営業はモチベーションが維持しにくいと思うが、目的や習得スキルの説明をして、割り切ってやってもらうことにした。
(自分自身の経験でもここをやるとクライアントにビビらなくなるという・・)

・新入社員は、商材や営業技術以外の作業など覚えることが多い。それらをリスト化して、未習得の業務はどれか?などがお互いにチェックできるようにした。

・商材も見直して、全体的に値引き判断をしやすくした。メニューが定型化されると慣れた営業は独自の付加価値をつけた提案が難しくなるという側面もあり、いろいろとバランスをとっていくところか。

とまあ、いろいろとやっていて、山本五十六の言葉をふと思い出した。

「やってみせ 言って聞かせて させてみて ほめてやらねば 人は動かじ」

まさにこのとおり。同行営業や文書化した内容で説明をして、ロープレやコールを見せつつさせてみて、チェックリストや売上以外の目標設定が進んでいれば褒める、という流れができつつある。山本五十六すごい・・当時何歳だったんだろ。

ちなみにこの言葉には続きがあるらしいです。
「話し合い 耳を傾け 承認し 任せてやらねば 人は育たず」
「やっている 姿を感謝で 見守って 信頼せねば 人は実らず」

先日、大学のラグビー部だった友人に、「帝京が大学選手権9連覇したけども何がすごいの?」と聞いたところ「監督がすごい」と。その友人曰く「今の帝京の強さは大学の中では突き抜けている」。現在の岩出監督は、20年ほど監督を続けていて、はじめの10年間は苦労しつつもマネジメントを変えてそれから9連覇しているとのこと。

ちょうど NHK BS1 スペシャルで「全員リーダーの組織論~帝京大ラグビー9連覇~」がやっていて見てみた。番組冒頭のナレーションで、主力選手が卒業して入れ替わる学生スポーツで、9連覇がそもそもありえないみたいな内容が流れていた。マネジメントでなんとなく悩んでいることへのヒントが多かった。メモを取りながら見ていて、自身の組織と重ねてみた。

1.チームスローガン「Enjoy & TeamWork」、厳しさを楽しみに変える発想力(文化)を育てる。
→とても納得。営業は結果にフォーカスしがちになるが、大前提として仕事を楽しむ土壌を作る必要がある。あと営業ってどうしても個々の動きになりがちだが、常にお互いが協力できる関係性をどのようにつくるか。

2.脱体育会、新入生は新生活に馴染むことに専念させて雑用は上級生がする。新入生はプレーに集中できる環境をつくる。
→新入社員は覚えることも多いため、まずは彼らが目の前の業務に集中しやすい環境(物理的なものも含む)をどうやってつくるか。

3.コミュニケーションが重要。ボールを使わずに名前だけを呼び合う練習。練習後の3人トークで、上級生からフィードバックする仕組み。
→上級生と下級生が関係なくのびのびとやれる環境が作れると強いと思う。3人トークは、こういう仕組みがあると全体の考えを後輩に説明しやすくなるし、スタッフからの疑問や悩みも引き出しやすくなるし、さらに自分が先輩になったときに自ずと同じことをやってくれるのだと思う。

4.全員がリーダーシップを発揮する。学生自らが、新入生向けの研修をする。部員として知ること、チームスローガン、テーマ、目標などが記載されている。それを全体で理解しあう。個々のリーダーシップを自覚するためにも、指導することが思考の整理に繋がる。
→研修やプレゼンをし合う環境を作っていくことで、おのおののリーダーシップが作れるかもしれない。

5.学生の将来までを考えたマネジメント。大学ラグビーはあくまで通過点。長期(社会に出てから)、中期(在学中)、短期に分けて、社会に出てから役に立つための指導をしていく。
→個人的に印象に残った部分。スタッフに何か説明するときも、意識していきたい部分。

6.コンディション強化。医学部と連携して、体調や食事管理を徹底する。コンディション優先のために夏合宿でも練習量を増やさない。岩出監督曰く、それは指導者の不安解消でしかない、とのこと。
→仕事で考えても、スタッフの体調管理に気を配る。まずは自分自身の体調管理から。スタッフの営業行動量を増やす場合は、そのための根拠を示す。

7.謙虚、自分自身を変える。岩出監督はものすごく謙虚な方らしい。別の記事で読んだが、スポーツの監督は連覇するとメディアの露出も増えて天狗になったりもあるが、そういったことが一切ない方らしい。この番組でも、自分の未熟な点を変えて、選手も組織もまだまだ進化させる、と話していたのが印象的。

岩出監督ははじめの10年間は苦労して、次の10年間で偉業を遂げたらしい。これだけの成果を上げながら謙虚に、自分の未熟なところを変えていく、というのが印象的だった。

その1その2はこちら)

業績の急降下に伴い、スタッフの意識改革に向けて営業活動を見える化し、個々が営業プロセスを意識する仕組みをつくった。部内の報告シートも統一して、マネージャーが見るべき情報も合わせた。

もうひとつ感じていたのは、その1でも書いたが、
「スタッフは、自分の売上は把握するが、全体の売上状況はわかりにくく、無関心になりがち(こちらとしては全体の状況、やばさを共有している「つもり」)。チーム間で情報が共有されにくくなっていた」という点。

自身の経験や、スタッフを見てきて思うのは、営業は得てしてワンマンで周りに対して無関心になりがちということ。営業個人の成績は、良くも悪くもはっきりと分かる。そのためマネジメントの仕方によっては、自分の数字には関心を持つが、周りが何をしているかにはあまり関心を持てないことがありうる。

いっぽうで今の市場環境では個人プレーではうまくいかない、ということも数年前から分かっていた。なのでスタッフにも全体の売上も意識するように、評価制度もじょじょに変えていたが、もともとのマネジメントスタイルもあり、チーム全体で協力するといった意識を醸成できなかった。こちらからは、全体の売上状況や会社の動きを共有しているつもりだったが、社歴の浅いスタッフにとっては関心を持ちにくかったのだと思う。

で、全体の売上を「分かりやすく」見えるようにして、全体売上と不足分を見える化した。これにより、(人にもよるが)個々では予算達成していても、「まだ足りていないから」と言って、追加提案をしてくれるスタッフも出てきた。そういうアクションや成果をきちんと評価すれば良い。

そして組織をシンプルに1チームにした。もともとはマネージャー育成や、小さなチームで効率化していく、という狙いのもとにチーム制にしていたが、チーム間のコミュニケーションがうまく取れないなどの弊害も出てきたため、風通しを良くするべくチームをなくした。

部内で情報をオープンにすることも心がけた。オープンにすると、当然良くない情報もスタッフに入りやすくなるが、スタッフがいろいろな状況を把握できて、コミュニケーションしやすい環境を作っておくと、勝手に改善策を出してくれる。今の時代、階層別組織は難しいと言われるのはこういうことなのだろう。情報共有ツールをテスト的に取り入れて、企画つくりやサービス改善やらの簡単なディスカッションをオンライン上でも行えるようにした。

あとおそらく最も効果が高かったのは、スローガン「超変革」を掲げたこともあり、私自身が変わろうとして、スタッフの話を積極的に聞くようにしたことと思っている。周囲から「認められている」(単に褒めるのとは違う)と感じると、その組織に貢献しようとして、組織全体のことを考えてくれる(ようになった気がする)。

まとめると、1.全体の売上や会社の状況を分かりやすく提示して、2.コミュニケーションを円滑にし、3.発言しやすい環境やツールを整備する、といったことではないか。まだV字回復して1年、組織内の文化として根付かせるのはこれからです。

前回の続きです。

2016年上期、売上の前年割れが続くなか、マネージャーやスタッフ間の対策が実行されなかったりしていました。個々の危機感にも差がありました。何か早急に手をうつ必要があるが、既存の顧客群が厳しい状況しか出てこない。新サービスや新しい市場開拓が必要と思いつつ、そこの精査は時間がかかりそうでアクションが描けない、そんな状況が続いてました。

しかしながら考え抜くと、人は答えにたどり着くものです。Googleという便利なツールもあります。まずは売上の構成要素を考え、数字上でどのくらいの改善が必要かを考えます。売上構成要素は、接触数、受注率、リピート数、案件単価、といった部分がメインでしょうか。

売上+10%を営業力だけで上げる、というのは成熟産業にはなかなか厳しい。商材も難しいものが多く、教育に時間もかかる。増員してもすぐには売れるようにはならない。しかしながら接触数、受注率、リピート数、案件単価を3%ずつ改善することで、1.12とほぼ1割以上のアップになります。

調べてみると、いくつかの数値が以前よりも下降傾向があったため、この状況をスタッフに説明しました。特に案件金額3%アップは、3%値引きに応じないだけなので、スタッフの意識付けですぐに改善できそうです。受注率も10%改善はなかなか難しそうですが、3%改善であれば、提案先の取捨選択により進められます。

これらと合わせて接触数やリピート率をスタッフに意識してもらうために、部会の報告シートを変更した。この変更も、マネジメントとして知りたい項目、活用する項目を精査して、極力スタッフの手間が増えないことを意識した。

スタッフの報告内容を変更して、スタッフ個々が自分の営業プロセスを意識して考えざるを得ない仕組みをつくった。スタッフの意識付けと見える化は完了。次は部全体で見る数字、状況をどのように共有して、組織全体の目標を合わせるか、これも並行して進めたが、続きはまた次回。

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