あまりBtoBマーケティングとは関係ないが営業マネジメントの話。若い社員(31 歳以下くらい)の価値観をどのように理解して、どのように採用して、どのようにモチベーションを上げていくか、について一年ほど前にセミナーを受講。その内容のまとめ
1.若い世代の考え方
・いまの若い世代(おおよそ31歳以下くらい)は、誰かのために尽くしたいというモチベーションが高い「つくし世代」。個性を尊重するように教育が変わり、バブル崩壊後の経済環境や共働き世帯の増加により節約家、価値観が変わったことが関係。また小さなころから PC が身近だったデジタルネイティブ世代で、いろいろなコミュニティに属すため器用にキャラクターを使い分ける。
・昔のように優等生ロールモデルを目指すのではなく、自分らしさを大切にして育てられた。仕事選びの基準として、自分らしさを出せるか、という観点もある。押し付けを嫌い、主体的でありたい。この企業の考え方は自分と合う、あの人と一緒に働きたい、といった「共感」が大切。
・生き方の選択肢が広がっている。若者にとっては働くこと、お金を稼ぐ以外のモチベーションが大切。何のために働くか、地位・名声よりも自分が楽しいか?
・変化への受容性が高く、既存のルールを疑うことができて柔軟性がある。チームワークマインドが高く、周りを活かす能力がある。以前、人に聞いた話で、水槽に敷居を入れると、金魚は半分側だけ泳ぐようになり、敷居をとっても水槽全体を泳ごうとしなくなる。ところがそこに新しい金魚を入れると、当然その金魚は自由に泳ぎ、それを見て半分しか泳がなかった金魚もまた自由に泳ぐようになる。この新しい金魚の役割が、今の若い世代なのかもしれない。
・若者の育成方法としては、その作業が本人のためになる、どれだけ自分のことを考えてくれているかといった、オレ得文脈への翻訳をして作業依頼をする。
・働く上でのビジョンを示すことが重要。このサービス、この働き方、この人の生き方がいい、と思ってもらい好きになってもらえると良い。
2.若手の採用面接
・面接時に「覚悟はあるか?」といった質問による意思確認(道場主面接)は意味はない。今の若者は器用に対応する。本人の過去の行動を見るようにする。知識が習慣になっているかをチェックする。エピソードの具体的な数値や行動を聞くこと。
・面接時に会社への正しい事前期待値をつくる。面接官がアウトプット力を高める。実態環境と魅力(共感ポイント)を伝える。期待値が低いと内定辞退になるが、期待値が高すぎても早期離職に繋がりかねない。
・そもそも候補者という意識で望む。人口が減る→志望度ある人材は減る。ゆえに入社意欲は面接の過程で作る。辞退者の70%は、面接の印象で決めているとも言われている。面接の印象や担当者の熱意が必要。本当に欲しい人材の場合、面接直後に役員が直電して是非とも来て欲しいと口説くことも。
・「発掘提案型面接」に変えていく。従来の見極め面接ではなく、面接時から相手のやりたいをつくる。「やりたい」がなくても「なりたい」はある。候補者と自社の仕事の接点を見つける。お互いの入社後のwinwinをシュミレーションする。ここがうまいのがリクルート。なるほど・・
・面接官には、質問によるインプットスキル、メンターとしての助言、営業・広報としてのアウトプットスキルが大切。候補者との接点を見つけるために、不安やニーズを引き出して、候補者がわくわくするような表現で接点を説明する。
・面接ではアクティブリスニングを意識する。相手に共感しながら可能性を引き出す。応募書類は事前に見ておき、相手の可能性を引き出せるように準備。熱くかつ具体的に接点を語る。仕事のことを誠実にイメージしやすく話す。面接の冒頭にはきちんと自己紹介をして今回の応募ポジションについて説明する。なんとなく営業時と近いような・・
・転職理由は複合的な内容が多い。ゆえに転職理由ではなく、転職のきっかけを聞く。また入社意欲は前述のとおり、初回ではないことが多いため、どこに興味を持ったかを聞く。その上で本人の希望との接点を探し出す。
・候補者への魅力の伝え方としては、「入社後の活躍をイメージさせる」「自己表現ができる余地、まだまだやることがあることを伝える」「事業の社会へのインパクト」「心地よい放置感。干渉しないがサポートはする」といったことをきちんと説明する。
・面接時に具体的な不安を聞き出すことは難しいが、どのような不安を持つかを想像することはできる。その不安を払拭できる話をする。
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