組織マネジメント

SaaSツールの新規営業をやっています。コロナもあって100%ビデオミーティングになっています。

競合も多く、優位性をつくるために試行錯誤してサービスの見せ方を変えてセールスしていますが、そもそも営業手法としても改善点がある気がしてきました。で、アフターコロナの営業時に必要となることを感じたのでまとめました。


アフターコロナ営業のキーワードは、「次はない」です。


訪問営業時は、わざわざ来社して、1時間をともにして、多少の雑談もあって信頼関係を築きやすいです。提案後にウェットなやり取りが可能になります。提案後に予算感や検討状況を聞きながら、提案内容をブラッシュアップして受注率を高めるプロセスを取ることが出来ます。


アフターコロナ営業はこれらの要素がなくなるため、初回提案後に対応がないがしろにされることがあります。面談直後は連絡が取れても、その後の連絡が途絶えがちです。相手によっては、時間がないからと30分も商談時間がなかったり、マスクをしていたり会議室で大勢が映っていたり顔を隠している方もいます。


訪問営業時のような、一度の商談で多少なりともウェットな関係をつくり、その後のやり取りを進めるような売り方が難しいと感じます。なのでオンライン営業においても、リアルのときのようなやり取りに繋げていく方法をいろいろと考えました。


・アフターコロナ営業1. 「事前準備と綿密なヒアリング」

オンラインの新規営業時は、前述のとおり「次はない」ことを意識しましょう。事前準備と仮説構築、その場で疑問点をヒアリングしていくことが超重要です。可能であれば自分の弱点を補強してくれるメンバーを同席してもらいます。他力本願ですが、クライアントの疑問にその場で回答できる人がいると、さらにいろいろな質問やヒアリングができることが多々あります。


・アフターコロナ営業2. 「自己開示によるアイスブレイク」

オンラインミーティングの場合、アイスブレイクが難しくなります。人によっては顔を隠したり、マスクをしています。

そのため、自己開示のためのスライドを出しましょう。自身の経歴やポリシーを開示して、少しでも相手との共感ポイントを探ります。しょぼいプロフィールでも良いです。やってもやらなくても次はないと思い、少しでも信頼されるポイントを増やしましょう。


・アフターコロナ営業3. 「プロダクトのストーリー構築とプレゼンテーション力」

以前は、商品の前に自分を売れ、それにより成熟市場で差別化が難しいサービスを売っていました。オンラインになって、人間力や信頼関係で売ることが難しくなります。

製品の差別化も難しいため、サービスのストーリー、なぜやるのか、why を磨きます。自分自身が納得できるまで考えることが大切です。なぜやっているのか、何を大切にしているのかを説明します。また、どんなサービスでもどこか一部は尖っているところがあると思います。そこをクライアントベネフィットと絡めて説明します。一部の機能、UIやデザイン、サポート体制、など何でも良いです。単なる機能説明にならないようにストーリーをつくります。


それらを説明する際、リアルのとき以上にプレゼンテーションが重要になります。相手のビデオ環境によっては、こちらの顔などほとんど映っていません。事前準備で考えた相手の仮説に合わせて、製品のストーリーやベネフィットを伝えていきます。

このサービスや機能は自分たちの課題や考えに近い、という共感を作れるようにします。事前準備、自己開始、プレゼンテーションにより少しでも共感ポイントを増やして、「次はない」をちょっとでも減らしていくことを目指しましょう。

今いる会社で、外部コンサルを入れて行動指針・バリューつくりを行いました。その過程が発見多く、個人的に感動したのでブログ投稿です。ビジョンとかバリューって、抽象度が高く言語化しにくく、それぞれなんとなく心の中で持っているものを誰もがわかるキーワードにするわけですが、かなり難しいなと思います。おしゃれなワードセンスも必要だし、作ったあとに現場に理解されないとかもあり。。


今回の進め方は、その組織のビジョンでもミッションやバリューだけでなく、みんなで新サービスを考える場合とかも同じ手法が使える気もします。


1.目的、ゴールの共有

 今回はバリュー策定でしたが、なぜ大切かなどの説明から。ディズニーランドのMVV(ミッション、ビジョン、バリュー)とか事例も織り交ぜた説明です。作って終わりでなく、事業やオペレーションとリンクさせることが大切という話もありました。


2.個別ヒアリング

 今回のプロジェクトメンバーは6名だったのですが、外部の方が個別にミーティングしてくれました。以下のような質問がありました。長所、文化として備わっているところ、改善点をいろいろな質問で聞かれた感じです。

・良いところは?

・評価される行動は?

・今後も残したい強みは何か?

・今の課題、理想の組織とのギャップ


3.一覧化

 ヒアリングした内容を、それぞれのシートにキーワードで列挙。一覧化されることで共通理解があるところ、社内で使っていた言葉だが人により意味が違うところ、などがわかりやすくなります。

 

4.全体ミーティング

 一覧化されたキーワードについて、違和感や疑問がないか確認。3人ずつ2グループでディスカッション。キーワードレベルだったものを、じょじょに構文へ、まずは数を定めず考えられるものを挙げていく。ポイントはそれを挙げた理由まで書いていくところか。


 この際の発言であった「すでにある良いところ」「今、必要なこと」「将来の成長に向けて必要なこと」という時間軸の整理方法は、AsIs ToBeのようでやりやすかった気がしました。


5.再び一覧化

 3人ずつのグループそれぞれでまとめた内容を再び一覧化します。


6.合同ミーティング2回め

 2グループで一覧化されたものを、再度3人ずつのグループで見ながら再びディスカッション。少し長めの時間でディスカッションして、具体的に3つに絞り込みます。それを選んだ理由、背景も付け加えていきます。


その後に全体でディスカッション、全体で3つに絞りました。ワード選定に迷った際に、バリューとしてそれがあるとどのような行動に結びつくか、運用をイメージして考える方法は、個人的に印象に残りました。


終わりに

バリュー策定という抽象度が高いものを、共通理解を得ながら分かりやすく(かっこ良く)言語化することを、外部の協力も得て個別ミーティング+2回のブレストで造りました。感じたのは複数人かつワードセンスある人が入った方が良くて、ボキャブラリーが豊富な人がいるといろいろな言い回しワードが出てきて、おしゃれなものができます。各自が持つキーワードの洗い出しと収束、その意味の確認を繰り返して、どんどん鋭くしていった感じです。もちろんその過程にはこまごました整理の時間もあります。応用もできますし、このやり方であれば、比較的スムーズに共通ゴールなどつくれる気がします。

以前、「法人営業のデマンドセンター(インサイドセールス)をつくる」というエントリーを書きましたが、その続報です。

セールステック系のセミナーに参加したのですが、進んでいる営業組織は本当に進んでますね。SaaSでサービス提供する会社は、インサイドセールスでアウトバウンドコールとMAで案件つくり→フィールドセールスへパスというところが多い。セミナー登壇者と話すと、その会社のターゲット企業が14,000社あるとのことでした。

ターゲット企業が多くて組織を拡大できる場合、インサイドセールスとフィールドセールスでの取り組みはやりやすい気がします。

一方で自社のサービスや対象顧客数によっては、インサイドセールス組織が本当に必要かを考える必要があると思えてきました。全体でもターゲットが数百社、商材的に顧客数を増やしにくい場合は、インサイドセールスではない気がしてきました。新規顧客の対象が多くなく、休眠顧客を対象にインサイドセールスを始める場合、フィールドセールスに紐付く休眠顧客も多いため、フィールドセールスとインサイドセールスのルールつくりが難しくなります。

というなかで、休眠顧客から定期的に数字を作れているスタッフの話を聞いて気づきました。この優秀な営業マンは何をしているかというと、さほどリレーションが強くない顧客に対しては、定期的にメールで情報を投げています。で、その内容も「こういう参考情報があります」とか「こういう(もちろん適した)キャンペーンがあります」とかの内容です。

自分の顧客に情報提供をして、タッチポイントを作っていくことを「ひとりインサイドセールス」と勝手に名付けてみました。旧来型の営業体制があって、自社にインサイドセールスが機能するかわからない場合、まずはこのやりかたを個々がやると良いのでは?と思っています。

信頼関係ができるまでは、顧客は身構えてしまってアポイントが取りにくくなっている気がします。顧客としてはよほどの情報がないと会う意味がないと思われていて・・

そこで、相手に関係ありそうな情報をメールで案内して、個々でタッチポイントを作っていく、というのが一人インサイドセールス。月一回でも、三ヶ月に一回でも、情報が来るだけで、顧客の中の一定のマインドシェアを取れます。そうすると突然、そういえばあの担当に問合せてみようかな、となるでしょう。

一定数やると案件化率も見えてくるはずで、メールでフォローする顧客をこれだけ増やしましょう、とか、そういうマネジメントもできていくと思います。

この「ひとりインサイドセールス」が浸透してきて、メールフォロー顧客が組織全体で増えてきた、組織全体で効率化したい、という話になった時点で、本当のインサイドセールスを置く、というやり方もあるのではないかなと。まずは営業マン全体に、コミュニケーションが少ない顧客に対して「ひとりインサイドセールス」をやってもらおうか、そんなことを考えています。

海外からの新しいキーワード「セールスイネーブルメント」
私のブログでも過去に2つほどエントリーを書いていて、結構アクセスがあります。


ただ、以下の記事とか見ると数値化して改善して、そのためにSFAを入れましょうとかいろいろあって、結構ハードルが高いと感じてしまいます。


でもセールスイネーブルメントの目的って、教育内容と営業ツールや商材を整理して、短期間で継続的に数字が作れる、そういう営業マンを作れれば良いと思っています。

従来は、営業マン教育は、OJTという名のスキル伝承だったり、ツールの活用や商材の提案の仕方も、営業マンにより好き嫌い(得手不得手)があったりして、やや属人的な部分があったと思います。そうするとどうしても成長速度にばらつきが出たりもします。会社によっては、採用や基本教育は人事部、商材やツールは営業推進、実際に営業を教えるのは営業マネージャーやリーダーだったりで、この場合、配属先の上司により、その後のパフォーマンスに差が出たり、組織に定着しないことも。弊社も昔、ありました。

なので、そういった抽象的な部分を、言語化して、採用基準をつくる、営業初期段階で覚えることや使う営業ツールをまとめる、新人が成長を実感しやすい環境をつくる、営業時にうまくいかない点があれば振り返りやすくする、そうして早期戦力化、定着化を重視する、これが私が考えるセールスイネーブルメントです。

別に営業のステップを数値化してPDCAしなくても、以下をまとめて言語化していけば、セールスイネーブルメントの始めの一歩としては十分ではないか、と思っています。

1.新人が初めに覚えることを整理する、その大まかなスケジュールを提示する、新人が覚えているかを定期的にチェックする
2.営業の業務を整理して言語化していく、徹底的に売れていて真似しやすい営業マンがやっていることをマニュアル化する
3.営業ツールや商材を整理して、どの場面でどれを使うかも言語化する

1があることで、OJT 役の人間とも教えることを共通認識として持てるし、新人の達成度合いを図れます。2,3により、近い将来にやるべき営業活動をイメージしやすくできます。

営業という職種は、経験を積めば積むほど、裁量が大きくなるため属人化しがちなわけで、だからこそセールスイネーブルメント組織が、育成の全体像をつくり、入社初期の段階から普段の営業活動を行いつつ一人前にして、周りの営業マンと同じように動けるようになる、受注率やら
これができれば数値分析などなくても、セールスイネーブルメント組織の役割はできていると思っています。

家を買いました。私は賃貸派だったのですが、いろいろと考え方の変化もあり購入に至りました。で、そのときに不動産仲介の営業の方と話していて、営業方法も昔と比べて変わっているなと感じた話です。

私が営業職に就いた15年前、教わったり、営業をしていて学んだ原則的なこととして、以下のようなことがあります(当然、ヒアリングスキルとか企画書の書き方とかクロージング方法とか、細かなスキルはもっとありますが)

1.対面接触を増やして信頼感を増す
2.提案は嘘はつかないが、相手のメリットを最大限にアピール
3.他社に流れないように、クロージングは早く

で、不動産の営業の方と話しながら私の心理状況を考えたりして、これからの営業方法はやっぱり変えていかないとなぁと。自社の営業スタッフの売り方を見ていてもなんとなく思っていたわけですが。いわゆる優秀な営業マンって、自信や説得力があり押しが強いとかのイメージはありますが、おそらく変わっている気がします。

まず、1の対面接触を増やすのはそのとおりですが、そのための手法は大きく変わります。今回も不動産会社の電話には私は出ていなかったのだが、そもそもほとんど電話はかかってきませんでした。で、メールベースで新たな物件の案内があって、久々に物件を見に行くことになったのだが、見てみるとすでに案内された物件だったり(おそらく意図せずに案内していたと思われる)。でもそこで別の物件を案内されて(ニーズに即したものは大前提)、結局その流れで具体的な検討が始まりました。昔のようなアウトバウンドコールでアポイントを取る、そのためのスキルも大切ですが、今は顧客から連絡させる方法や仕組みが必要だなと改めて感じたわけです。

営業としては、電話の方が得られる情報量は格段に多いわけですが、まだ検討状況があまり進んでいない顧客は、自分自身が比較検討して納得したい、という感情を持っています。そこに電話でプッシュするよりも、相手が比較検討しやすい情報を提供して連絡を待つ、という仕組みが大切と思います。

2の提案方法について。最近はサブスクリプションサービスが増えて、カスタマーサクセスチームとかも流行りつつあるようです。販売後の顧客満足をどうやって上げるか、が重要になっているわけです。外資系の某クラウドベンダーは、一定期間の継続があって、初めて営業成績としてカウントされると本で読みました。

で、今回の不動産屋の営業の人も、売っても大きくは評価は変わらないとのことです。また売ったあとの顧客満足度調査を本社でやっていて、それも評価に入るため顧客のためにならないものは売れないと話してました。昨今は、変なものを売ると消費者センターも厳しいとのことです。購買者側もインターネットで比較検討をしやすくなり、企業の評判もネットで広まりやすくなっています。つまり売って終わりでなく、顧客の将来にまで責任を持った提案が必要なのでしょう。

クロージングを早く、という営業の常識も変わっている気がします。この10年でスマホが増えて、顧客はどこにいても気になる商品の比較検討ができて、探せば探すだけ比較対象が増える状況になりました。無理なクロージングをして信頼感を損なうと、顧客は別の選択肢を探すだけです。クロージングはとても大切ですが、相手が迷っているときにこちらの都合ではかけない。それは昔、顧客に情報がないときに通じた手法でしょう。

そうではなく、顧客メリットを最大限にする提案を心がける。その後は相手に納得してもらう時間を与える。ただその過程で信頼を得ることがとても重要。それは会社のブランドもそうだが、営業個人としても大切。顧客が納得して購入を前向きに考えても、その会社や担当営業への信頼が薄いと、やはり選択肢が多い世の中なので他に流れてしまいます。

そう考えると営業マン育成時に説明することは、相手に信頼されるための振る舞い方とか、顧客ニーズに即したサービスつくりや提案力とか、そういうものな気がします。

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